第一回に引き続き第二回ではソフトウェアについて
整理していきたいと思います。

ソフトウェアの概要

 研究開発の括りだけなぜソフトウェアだけ
 切り出されているか良くわかりませんが、
 ソフトウェアは単なる研究開発費と会計処理が異なります。
(他の研究開発対象でもソフトウェアと同等の性質のものがあるのでは・・・?)

 とりあえず、前に進んでいくと、
 まず、ソフトウェアにはその開発目的に応じて、
 3つの分類に区分されます。

 ○受注制作目的
  自社以外の特定の組織あるいは個人の依頼を受け、
  受託して開発する目的で開発する場合。
  
 ○市場販売目的
  自社製品として不特定多数に販売する目的で
  開発をする場合。

 ○自社利用目的
  自社で利用する目的で開発をする場合。


受注制作目的のソフトウェアの会計処理

 当該目的で開発されるソフトウェアは
 請負工事に準じた形の会計処理となるために、
 「工事契約に関する会計基準(以下、工事会計基準)」が適用されます。

 そのため、本区分の会計処理はいつか訪れるだろう
 工事契約について勉強する時まで待つことにしましょう。
  
 本業では今まさにこの区分のソフトウェア開発に関わっており、
 「工事進行基準」の適用を受けているので、
 近いうちに取り上げると思います。


市場販売目的のソフトウェアの会計処理

 "ソフトウェアは当該目的の場合が最も肝です!"

 市場販売目的のソフトウェアの場合、
 これは少し研究開発と絡みが生じてきます。

 つまり、当該ソフトウェアのプロトタイプないし
 製品自体ができるまでの費用は、
 研究開発費として即全額費用計上。

 プロトタイプないし製品自体が完成した時点で、
 無形固定資産として計上します。

 資産計上以降の修繕等は他の資産同様
 資本的支出か収益的支出かにより
 資産計上するか資本計上するかを判断することになります。

 ただし、ソフトウェアのラッピングなどの梱包費用や
 ソフトウェアのDVDコピーの費用などは特殊で、
 費用発生時、仕掛品勘定で計上しておき、
 当該製品の売上時に売上原価として費用認識する必要があります。

 <市場販売目的のソフトウェアの一連の仕訳>

20170914_1


20170914_2

20170914_3

20170914_4

20170914_5


 最後に、資産計上したソフトウェアの償却方法についてですが、
 ここが少し複雑で、その償却方法が減損と同等の意味を持ってしまっています。
 そのため、市場販売目的のソフトウェアは減損会計適用外です。

 市場販売目的のソフトウェアの償却は、
 下記のいずれかの方法で算出した償却額が
 大きい方を採用することになります。

 ①見込販売数量(収益)に基づく償却額
 ②残存有効期限(原則、3年以内)の均等分割額
  
 「①見込販売数量(収益)に基づく償却額」を採用する場合、
 見込販売数量の変更を適宜反映させる必要があります。
 ただし、その変更分は当期以降に負担させる
 「プロスペクティブ方式」のみ適用できるため、
 当期中に費用を計上する減損会計とはこの点が異なります。

 なぜ、当期中から適用しないのかということですが、
 そもそも全期間での見込販売数量(収益)が変更されたということは、
 当期だけではなく過年度にも本当は影響しているはずなのです。
 しかし、過年度の財務諸表の修正は色々とデメリットがあるので、
 どうせ過年度の修正を行わないようにするなら、
 もともと期初の見込みを前提とする当期も
 別に修正しなければならないという訳ではないよねということだと思います。
 なので、次期以降の償却額で全て調整されることになります。


 ○見込販売数量(収益)の変更認識期

20170914_6

 
 ○見込販売数量(収益)の変更認識次期以降

20170914_7

自社利用目的のソフトウェアの会計処理

 自社利用目的も資産計上するタイミングは
 当該ソフトウェアで将来の収益獲得あるいは費用削減が
 確実であると認められた時に、
 その時点以降は資産計上、それより前の費用は
 販管費として費用計上されることになります。

 償却に関しては、原則5年の定額法で、
 減損会計の適用対象となります。