活動基準原価計算を端的に表現すると、下記の通りとなります。

「従来の製造間接費の配賦方法に変わる新時代の配賦手法」

これだけでは良く分からないと思うので、
詳しく解説していこうと思います。

活動基準原価計算の意義

 活動基準原価計算(ABC:Activity Based Costing)は、
 直接費に重点を置いている原価計算基準の配賦方法に対して、
 より本質的な方法での配賦を行うための方法論です。

 セグメント別のPLを見て、経営判断をすると分かるのですが、
 製造間接費の配賦方法一つで経営判断が異なる可能性が多いにあるため、
 正しい経営判断のためにも配賦方法はとても大事な要素になります。

 では、従来の原価計算基準が不十分なのかというと話は別で、
 原価計算基準が策定された1960年代では第2次産業が主流で、
 直接費に対して製造間接費の割合が微小な会社が多く、
 当該産業を基準に策定されているために、
 製造間接費の配賦方法は極力精緻にだけど簡易的にを目的に設計されました。
 そのため、現代でも、製造間接費の割合が小さい産業では、
 これまで通り、原価計算基準で策定された配賦方法で十分なのです。

 しかし、第3次産業以降が発展する現代では、
 製造間接費の割合が大きい会社が出現し始めました。
 その社会の要請に対応するために生まれたのが、活動基準原価計算です。

 ただ、第2次産業でも機械化・IT化が進むにつれ、
 製造間接費の割合が大きくなっているので、
 ABCの重要性は更に高まっています。
 (IT化に伴う製造間接費の増加の例として、
  何十億も投資して導入したERPの投資費用・維持費用などが
  製造間接費になりますね。)


活動基準原価計算の手順

 活動基準原価計算は下記の手順で実施していきます。

 ○手順1:原価集計単位の決定
  これは従来通り、製品別や部門別などどの単位を
  原価集計するかを決定します。

 ○手順2:アクティビティの決定
  ここが今回のポイントで原価集計より
  更に細かい単位の集計単位アクティビティを決定します。
  例えば、ケーキの作成で言えば、
  これまではケーキ1個を作る工程一つで原価集計していたのを
  ケーキ1個作るにしても、
  「スポンジを焼く」「クリームを塗る」などの
  アクティビティ単位に分割するイメージです。

 ○手順3:間接費の分類
  間接費の賦課・配賦の段階が1段階増えるので、
  それに合わせて、各間接費をどこに賦課・配賦するか決定します。
   
   ①原価集計単位費として計上(直接費)
   ②アクティビティ費として計上
   (後々、コストドライバーにて原価集計単位に配賦)
   ③アクティビティ共通費として計上
   (後々、リソースドライバーにてアクティビティ単位に配賦)

 ○手順4:リソースドライバーの設定
  リソースドライバーというのは
  費用集計の最小単位(材料費や人件費)を
  アクティビティに配賦する際の基準のことを指します。
 
 ○手順5:コストドライバーの設定
  コストドライバーというのは
  アクティビティ費を
  原価集計単位に配賦する際の基準のことを指します。

 ○手順6:上記の決定事項を基に実際に運用

 ちょっと実例を交えてと思ったのですが、
 今回はちょっと断念。。。いつかここに実例の説明が入る日が・・・!?


活動基準原価計算の問題点

 活動基準原価計算の問題点は大きくまとめるとただ一つ!

 「大変!」

 です。

 なにが大変なのかというと、2つの観点があります。

 ○運用面
  そもそもアクティビティ毎に様々な数値を集計するのは、
  とても大変です。
  従来の配賦に必要なデータを集めるだけで手一杯なのに、
  それより細かく集計するなんてという現場の声が聞こえてきます。
  
  また、システム面でもこれまでは単にある部門費を
  配賦ロジックを経由して、
  別の部門費に振り替えるという機能だけで良かったものが、
  ABCを行うには根本的に別システムを作るイメージになります。

 ○管理面
  現場が頑張って集計してくれたとして、
  次に襲ってくる大変さが管理面での大変さです。
  せっかく現場が集計してくれたのですが、
  その集計結果を活かした経営判断するのが大変で、
  結果的になんにも役に立っていないという状況に陥ります。

 私のお客さんでも真面目に各々の業務を発展させていくタイプと
 不真面目とは言いませんが、現状維持のタイプがいますが、
 どちらがより当該業務にスマートに結果を出しているかと言われると
 現状維持タイプの方が本質に対して少しのブレはあるものの
 効率的に目的を達成している感があります。

 なにを言っているかというと真面目に発展させていくと、
 運用的に追いつけず、結果的に工数だけ無駄にかけて、
 しかも、その取り組みの結果が不十分なため、
 本来果たすべき目的を全く達成できていない状況が結構発生します。

 やはり、能力や人員に限りがある中で、
 理論と実務のバランスを保ちつつ、
 いかにより効率的に目的を達成する策を優先的に講じていくかが大事ですね!


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